05.Conservation Corps

環境保全活動を通じて、人と緑を育む
Conservation Corps プログラム(コンサベーション コア プログラム)

若者たちが農山村にチームで長期間滞在し、集落、環境、景観を維持するために活動するプログラムで、フクシマ環境未来基地の主幹プログラムです。活動を通じて次の時代を担う若者リーダーを育てていきます。


フクシマ環境未来基地では、三和町を拠点に2ヶ月間のプログラムを開催し、若者のチームが長期間滞在しながら、森づくり、田畑での活動、地元の人たちとの交流を進めていきます。

【 プログラムの内容 】


【ワーク】
スギやヒノキの森、里山の整備、田んぼや畑作業、海岸林での作業など、 環境保全活動を中心に取り組みます。道具の使い方も一から学び、実践を通して習得を目指します。

 

【共同生活】
集まったメンバーで共同生活します。 食事も交代で自炊です。お互いの文化の違いを理解し受け入れながら、生活もみんなで一緒につくっていきます。

 

【参加者】
 日本、アジア国内から 個性豊かな若者たちがやってきます。参加後もNPO就職や地域への移住を決定する若者たちもいます。

 

【学習】
週に1回、NPOや環境に関する学習日があります。
先駆的な取り組みの視察見学や、インタビューなど参加者の満足度も高いもののひとつです。

〇モデルとするプログラムと可能性
同類のプログラムで、先行している事例としてはアメリカのConservation Corpsがあります。全米100ヶ所以上で開催され、半年から1年間のプログラムに若者たちが年間24,000人以上参加しています。
若者たちの力が発揮されると、大きな成果を生むことが実証されています。例えば、2014年の全米での成果のまとめの一例を紹介すると、

● 8,761マイル(140,000km)の遊歩道を整備、補修、維持管理(地球を約3周分以上)    
● 472,424エーカー(1,911km2)の土地の外来植物を除去
● 2,336,725本の木を各地に植林   
● 4,703の地域公園を建設、修繕   

 

【第1回フクシマconservation corpsプログラム】


開催:2016年5月16日~7月16日(2か月間)
参加者:日本人女性(リーダー)、日本人男性、メキシコ人男性、キルギス人女性
拠点:いわき市三和町下三坂地区「三和ハウス」

 

活動の様子:
フクシマ環境未来基地として初めての中長期ボランティア、フクシマコンサベーションプログラムを開催し、先日無事に終了いたしました。この地域に初めて外国人を含めた若者が長期間生活をするということで、受け入れてもらえるか不安もありましたが、2か月間ここに滞在し、活動をしたことで言葉が通じなくとも心が通じ合えるような温かい交流参加者と地域の皆さんとの間で生まれました。

異文化交流会を行ったり、普段のワークでも地域のお年寄りに教えていただきながら行ったり、
毎日メンバーのことを気にかけて声をかけに来てくれたり、そして地域の運動会にも参加させて頂いたり、この地域ならではの人の繋がりに溢れた2か月間となりました。

ワークでは田植えを体験したり、森林整備をしてくわやなたなどの道具の使い方を習得しました。
初めは全く道具を使ったこと経験がなかったり、森で活動をしたことや活動の意味について全く知らなかったメンバーたちですが、日本の森について学び、実際に森林整備をすることでその大切さを学ぶことが出来ました。
2か月間色々な場所で活動をしながら、道具にも慣れることで出来る事が増えていく、これもまた長期ボランティアならではの良さと感じます。

そしてこの2か月間で最も力を入れて取り組んだワークが木工クラフト教室の小屋づくりです。
三和ハウス横には小さな小屋が建っていましたが、かなり古く活用も難しいものでした。
この場所を何とか使いたいと思い、私たちがイベントなどで行っている木工クラフト教室を、この場所でも行えるよう新しく小屋を建て直すことになりました。メンバーたちと古い小屋の解体作業から行いました。
何年も手つかずの場所だったため、片づけ作業も大変なものでしたが、メンバーたちが一生懸命取り組んでくれました。
また小屋の建設には「三和の木を活用する」という目的もあり、ヒノキの伐倒、皮むき等、一から自分たちの手で作り上げました。「小屋を完成させる」という共通ゴールの元、日々取り組む彼らの姿も真剣で、出来ていくうちに喜びも増え、実際に完成した小屋を見たときは、やり遂げたという達成感に満ち溢れていました。

その他にも、メンバーたちは震災のことについて学んだり、海岸林再生のために整備や植林にも何度か訪れ、企業の方や中学生、小学生との活動にも長期メンバーとしてしっかり取り組んでくれました。

他にも様々なワークに挑戦したり、多くの方々との交流を通して日本の事、福島の事、森の事など
たくさんのことを学んでくれました。日々考え、行動し、成長する彼らの姿を見ることができ、
フクシマ環境未来基地としても大きな経験となりました。
1回目の開催で問題点などもありましたが、これから2回3回と続けていき、若者たちが学び、成長し、そしてこの地域に新しい風を吹かし続けていけるような、そんな活動を続けていきます。
是非、ご興味のある方は来年のプログラムに参加してみませんか???